平安町の家

神奈川県鶴見区に建つ個人住宅の新築計画です。
50坪の土地に母子二人が暮らします。その気配が家のどこにいても伝わる空間をイメージしました。間取りはシンプルでT型平面の中央に水廻りユニットを設けています。このユニットをめぐるように玄関、リビング、ダイニング、寝室、納戸がおかれ、二人の動きと気配が伝わっていきます。2階にはワークスペースがありますが、大きな切妻屋根をかけてワンルームのようにつくっています。1階をひと巡りすると、ホールの様な大きな空間、細長い迷路のような空間、谷間のような空間が次々にあらわれ生活に彩りを与えます。伝わるのは人の気配だけではありません。風と光が切り取られた入り隅の窓や玄関から入り、2階の外部テラスへと抜けていきます。この家は自然の気配も伝えていくのです。

平安町の家 用途/個人住宅 構造規模/木造2階 竣工/2012年12月 所在地/神奈川県鶴見区 施工/株式会社アベヒロ工務店 写真/コピスト 吉村昌也